一同は目を疑った

先ほどまで一緒だったブルーが傷だらけで吹き飛んできたからだ

「ブ、ブルーさん!?」

すぐにかけよるライト

「あ、ああ・・・ライト君か・・・」

苦しそうに声をだすブルー

「一体どうしたっていうんですか!?」

「あの後、す、すぐにテリエと合流してな・・・」

「王宮に戻ってきた・・・んだが・・・」

「ブルーさん、しゃべるんじゃない!!」

ふぎんが制止する

「な、中をみれば・・・わか・・・る・・・」

そういって気を失うブルー

「むぅ・・・メタス君、君はブルーさんの回復に努めてくれ。さっきの疲れもあるだろうしね」

ふぎんが言う

「わかりました。皆さん、くれぐれもお気をつけて。私もすぐに向かいます」

「わかった。ブルーさんをよろしくたのむ!」

そう言い残し、中へと突入するライト達

そこにはすでに交戦中の二人の姿があった

一人は剣士

ライト達も見覚えのある顔である

しかしもう一人は修道士

そしてこの修道士もライトは見覚えがあるのであった

「え・・・・?」

言葉を失うライト























「はぁあああああ!!」

テリエが修道士に向かって切り込む

「だから、当たらないっていってるじゃない」

足音すら立てずに瞬時に横に回避する修道士

「ちぃっ!」

テリエが一度後方にステップを踏み体勢を立て直す

「あなたほどの腕の戦士が、まだ地上にいたなんて・・・正直驚きだわ」

目にかかる前髪を首を振ってはらう修道士

「よく言うぜ・・・!てめえ、何者だ!」

テリエが意気込む

「前の奪還作戦のときはいなかったはずだ!!」

「あはははは!それはいなかったでしょうねぇ」

「ならばどこのチームだ!?」

「ふふふ・・・私に勝てたら教えてあげるわよ・・・閃空の戦士、テリエさん」

テリエをあざ笑う修道士

「その呼び名も落ちたもんだよなぁあ!!」

再び修道士に向かって切りこんでいくテリエ

(さっきから斬撃がまったく当たってねぇ・・・

(やつの移動術はかなりのものだ・・・ならば!!)

テリエが剣を振りかぶる

「これなら!!」

斬撃を足元に放つテリエ

「ふふ、別に横に動かなくても避けられるのよ?」

その場で宙に体を浮かせる修道士

「まだまだぁああ!!」

足元になぎ払った剣を空中で逆手に持ち替えるテリエ

「なっ・・・」

「くらえええ!!奥義!燕返し!!」










燕返し

一度なぎ払った剣を持ち替えて斬り返す、二段構えの剣技

なぎ払った剣を持ち替える筋肉と俊敏さがなければできない熟練者ならではの奥義











空中で身動きを自由にとれる人間などいない

さすがの修道士も剣先を篭手で受け止めるが勢いを殺すにはいたらない

そのままかなりの音を立てて玉座に突っ込む

「はっ、それで終わるわけねーだろ!!さっさと立ち上がれ!」

テリエが剣を振りながら言う

崩れた玉座から何事もなかったように立ち上がる修道士

「あーあ・・・この服高いのに・・・」

そういって服についた汚れを落とす

「ふふ・・・さすがにできるわね」

テリエの後ろをチラッと見る

「じゃあ後がつっかえてるようだし、終わらせるとしましょうか。」

言い終わるとテリエに向かって跳ぶ修道士

(速いっ!!?)

瞬時にテリエの目の前まで移動していたのだ

「くっ!?うおおおおお!!」

すぐに剣を振り下ろすテリエ

それを左手の篭手で受け止める修道士

「ばかな!?素手で、俺の剣が受け止められるだと!!?」

テリエが気がつく前にすでに修道士の両の拳はテリエを襲う

右拳のアッパーでテリエの顔がかちあがる

そして上がりきらない内に左拳からの打ち下ろしがヒットする

「爆」

人体の急所を的確に攻撃され、体の自由が利かなくなるテリエ

打ち下ろしから瞬時に目に見えぬほど高速の蹴りを三発叩き込む

吹き飛ぶテリエ

「烈」

すさまじい勢いで吹き飛ばされるテリエの後方に修道士が現れる

右拳にすさまじい闘気が集まる

「剛衝破!!」

声とともに右拳をまっすぐに突き出す

それまで逆方向に勢い良く働いていた力をなんなく返すほどの力で

鋼製のテリエの甲冑がまるで布きれのように砕け散る

「がはぁっっ!!!!!」

おびただしい量の血を吐き出すテリエ

そのまま吹き飛び柱に激突する

決して細くはない柱がいとも簡単にガラガラと音を立てて崩れ落ちる

その下敷きになるテリエ

「うふふ・・・私についてくれば、もっと強くなれるわよ」

そう言い放つ修道士

「って、聞いてないか」

両手を広げてみせる

「さぁ、お待たせ。次は貴方達?」

振り向く修道士

「って、あら」

何かに気がついた様子である

「う、嘘だろ・・・・」

ライトがふるふると震えていた

「そ、そんなばかな!?」

ふぎん、風結びすら驚愕の表情である

「お久しぶりね。みなさん」

笑みを浮かべる修道士

「なぜ貴方がここにいるんですか!?」

ライトが叫ぶ

「フェイミィさん!!!」