×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

「みんな、考えはまとまったかい?」

次の日の昼下がり、一同はまた机に向かい合っていた

「それじゃあ意見を聞いていこうか」

ふぎんが引き続きまとめ役になる

「それじゃあプレッシング君から」

プレッシングが口を開く

「俺の意見は変わらんな。ルアスを奪還する。それだけだ」

「う〜ん・・・」

「じゃあ次はメタス君」

「私はもうすこし様子を見るほうがいいと思います」

「ふむ・・・」

「今、このマイソシアのいたるところでモンスターの襲撃を受けています。」

「先ほど、プレッシングさんの言っていたルアス奪還も、この人数では机上の空論になってしまうでしょう」

「ですから、今もっともすべきことは、現状把握ではないのでしょうか?」

「なるほど・・・」

「僕もそれに賛成です」

炎浪が手をあげる

「どこが安全か、それを見極めてからでもルアス奪還は遅くはないと思います」

「いや、俺は遅いと思う」

ブルーが立ち上がる

「今、王都に住んでいる人たちはどうなる?」

「・・・」

「あれだけ容赦のないやつらだ。このまま放っておけば確実に最悪の結果になるだろう、いや・・・すでに遅い可能性も・・・」

「だからといってすぐに行動するのも良くないと思います。」

風結びが反論する

「おそらく今、まともに戦えるだけの力を持った人たちは本当に少ないと思います」

「私たちもそのうちのひとつ。だからこそ慎重になるべきだと思います」

「うーんなるほど・・・」

ふぎんが腕組をしながらうなる

「ライト君はどう思う?」

ふぎんが話をふる

「えっ・・・」

「正直、今すぐにルアスに突っ込みたいっていう気持ちは強いです」

「だけど、俺がいったところでどうにかなる相手でもないっていうこともわかっているつもりです」

「俺もやっぱり慎重に動くべきなんじゃないかと思います」

「ふむふむ・・・」

「聖騎士君は?」

「俺は・・・アカハナのことが気になります・・・」

「・・・どこにいったんだろうねぇ」

「どっちにしたってさ、このままウンウンうなってるより行動しない?」

ヘルサスが発言する

「ふむぅ・・・」

ふぎんが頭をかかえていたそのとき

突如小屋の玄関から扉を蹴破られるものすごい音がしたのだった

「な、なんだ!?」

一同が一斉に立ちあがり、玄関に急ぐ

そこには剣を構えた一人の男が立っていた

「アカハナ!!戻ってきたのか!!」

聖騎士が駆け寄る

アカハナの肩に聖騎士が手をかけようとしたとき

表情を変えぬままアカハナの剣が振り下ろされた

ギィイン!!と金属音が響く

「その剣、どうしようっていうんだい?」

マリーネが自身の刀身で受け止めたのであった

「な、なにするんだよアカハナ!!」

聖騎士がアカハナの胸ぐらを掴む

しかし表情を変えないアカハナ

「なんとか言えよおい!!」

揺さぶる聖騎士

無言のまま後ろにステップするアカハナ

小屋の外にでて、こいこいと手招きをするアカハナ

「・・・面白いじゃないか」

ダッと駆け出していくマリーネ

「ま、待ってください!!」

聖騎士も続けて出て行く

「どうなってるんだまったく・・・」

それに続き残りの人間も外へでていく

「アカハナ君。剣を振り下ろしたってことは、あたい達と命を賭けた戦いをするっていう意味合いってこと、わかってるのかい?」

マリーネが剣を向ける

「そ、そんな!?待ってくださいマリーネさん!!」

聖騎士が止めに入る

「あいつもそんな気持ちでやったわけじゃないんです!!きっと剣を落としたんですよ!」

「いや、あれは明らかに敵意に満ちてたよ」

マリーネが振り返りながら言う

「そんなことはありません!!第一理由が見当たらない!!」

聖騎士が必死に弁明する

「しっかりしなよ聖騎士!アカハナの目を見てみなよ!!」

ヘルサスが叫ぶ

そう言われ聖騎士がアカハナの目を見る

「・・・正気じゃない・・・」

そう、アカハナの目には光がなかった

虚ろな目でじっと一点を見ている

「大丈夫。本気で斬りあったりしないさ。ただちょっと当身を当てるだ・・・」

マリーネが発言の途中でとっさに後ろに剣を振る

キィン!という音がする

背後からアカハナが剣を振り下ろしていたのであった

「仕方がない。少しお灸をすえてあげようじゃないか!」

マリーネがアカハナを弾き飛ばす

「はあああ!!」

掛け声とともにマリーネが突進する

前に進む力を利用した突きを繰り出すマリーネ

それを上半身のひねりを利用し、皮一枚で避けるアカハナ

「なにぃ!?」

ひねりを元に戻す動作と同時に剣をなぎ払う

それをとっさにしゃがみこんで回避するマリーネ

「つりゃああ!」

しゃがみこんだまま水平蹴りを繰り出しアカハナにしりもちをつかせる

「もらった!」

マリーネが剣を突き出す

しかしアカハナは腕の力だけで逆立ちの体勢になって剣を避ける

「あいつ・・・あんなに筋力があったのか・・・?」

プレッシングが目を見開く

そのまま腕で地面を弾きすばやく体勢を立て直す

「やるじゃないか!!」

マリーネが頭上から剣を振り下ろす

それを無言で刀身で受け止めるアカハナ

そのまましばらくの間激しい金属音が響き続ける攻防が続いた

「アカハナ・・・いつの間にあんなに強く・・・」

聖騎士がつぶやく

「・・・おかしい」

ふぎんが言う

「おかしいって?」

「見てみなよ。はじめこそマリーネさんが打ち勝ってたのに今じゃアカハナ君が押してきている」

(なんだってんだい・・・打ち込む数が増えるにつれて段々重く・・・!!)

そう、互角の弾きあいの均衡が崩れてきたのだ

明らかにアカハナの剣が押している

「くっ・・・!」

マリーネが腰を入れたなぎ払いを放つ

それに合わせ同じようになぎ払いを返すアカハナ

刀身同士がぶつかりあった

「ぐぅう!?」

ひときわ大きい金属音と共にマリーネの手から剣が弾き飛ばされた

「ばかな!?」

マリーネは驚きを隠せない

動きを止めているマリーネに対し上段から勢いをつけて剣を振り下ろすアカハナ

「はっ!?」

とっさに体を仰け反らし、紙一重で避けるマリーネ

アカハナの剣が地面にめり込む

「いかん!あの状態からでは次の動作に入れんぞ!」

静観していたブルーが声をあげて走っていく

そのまま次の一撃を見舞うかに思われたアカハナであったが

剣を地面にめり込ませたまま動かない

「・・・様子がおかしい」

ふぎんがアカハナを見て言う

「見ろ・・・明らかに体が大きくなっている・・・!」

アカハナがうずくまり震えだす

「がああああああああ!!」

獣にも似た叫び声をあげるアカハナ

それと同時に全身の血管がクッキリと浮き出てくる

「まさか・・・」

聖騎士が何かを思い出す

「禁術・・・ブラッドアンガー!?」



ブラッドアンガー

はるか昔より禁術とされてきた術

己の命を削りながら筋力を爆発的に増加させていく術

「みなさん!!今すぐにアカハナを行動不能にしてください!!」

聖騎士が叫ぶ

「ど、どうしたんだい!?」

「説明は後です!!早くしないとアカハナが死にます!!」

「な、なんだって!?」

その場にどよめきが走る

「仕方ない!風ちゃん、あれを頼む!」

「わかった!」

風結びが両手を合わせて詠唱を始める

「ヘルさん!アカハナ君の前の地面に何か魔法を!」

「了解ー!バーストウェーブ!!」

アカハナの前の地面が爆発し土煙が立つ

「いまだ!マリーネさんはなれて!!」

「フリーズブリード!」

風結びの手から強烈な冷気が放たれる

その冷気はまっすぐに土煙に吸い込まれていく

「いまだ!みんな一斉に飛び掛って捕まえてくれ!!」

ライトをはじめ他の全員が土煙に突撃していく

しかしそこにはアカハナの姿はなかった

「い、いない!?」

「くくく・・・・期待の新人をそう簡単に明け渡すことはできんな・・・・」

不気味な笑い声が聞こえてくる

その声は明らかにその場にいなかった者の声であった

「この声は・・・・!」

ライトが気がつく

「良く会うな・・・ライト君・・・」

「デンパさん!!」